コミュニティづくりから「いのち」を守る活動へ ~「みんぷく」の取り組みから

集合

「みんなが復興の主役」が私たち「NPO法人 3.11被災者を支援するいわき連絡協議会」のキャッチフレーズです。そのキャッチフレーズから、「みんぷく」という愛称になりました。

「みんぷく」は、避難生活を続けている仮設住宅にお住まいの方の支援、全国の支援したい方々とのコーディネート、子ども支援、「いわき防災・減災ツアー」の運営、ボランティア受け入れなど、暮らしに密着した支援活動を行っています。その事業の一つが、「生活拠点コミュニティ形成事業」です。これは国の支援を受けて福島県が実施している事業で、「みんぷく」はその受託事業者として、復興公営住宅を中心とする生活拠点のコミュニティ形成支援を行っています。

現在、県内に4つの事務所を置き、そこにコミュニティ交流員を配置しています。コミュニティ交流員は、住民同士が自ら主体的に交流できる環境づくりのサポートをするのが主な役割で、以下の9つの仕事を行っています。

(1) 復興公営住宅入居者同士のコミュニティ形成に向けたきっかけづくりや交流活動の支援
(2) 入居者の交流促進を図るための訪問活動の実施
(3) 復興公営住宅の団地自治組織の形成や運営支援
(4) 入居者と地域住民との新たな交流の場の創出
(5) 復興公営住宅の団地内外における共助機能の確保
(6) 地元町内会加入に向けた地元自治組織との総合調整
(7) 関係機関(行政機関、社会福祉協議会、NPO等)との連携体制の構築
(8) 交流やサロン活動の充実を図るためのホームページの作成、ニュースレター等による情報発信
(9) その他、コミュニティ維持・形成に必要な支援

例えば、実際にどういうことを行っているかというと…
・交流会
復興公営住宅入居者同士のコミュニティ形成に向けたきっかけづくりとして、各団地ごとに定期的に開催しています。
・入居前交流会
入居説明会後、軽食をとりながらリラックスできる雰囲気をつくりながら、最初の顔合わせを兼ねた行事として位置付けているのが、入居前交流会です。
・顔合せ交流会
この公営住宅に誰が住んでいるか分からない。隣の人が分からない。と言う声に応えるために開かれるのが顔合わせ交流会です。まさに入居者同士が緊密な関係をつくる第一歩の交流会です。
・みんぷく通信
入居者やその周辺地区住民への情報発信として、月に一回ペースで事務所ごとに発行しています。

また、交流の場を単に提供するだけでなく、自治活動の促進をねらいとして、入居者が参画できる事業も企画・実施しています。例えばいわき事務所では、第96回を迎える平七夕まつりに、七夕飾りを下神白団地全体でつくって出展しようと呼びかけ、入居者自身が主体的に取り組みを展開し、審査員特別賞を受賞しました。

IMG_9741 

また、入居者が主体的に関わる「カフェ下神白」もオープンし、入居者の方々で賑わいを見せています。
こうして、コミュニティをつくっていくことから共助の関係へ、さらにはそれが命を守る取り組みに発展できるように、これからも丁寧な支援を行っていきたいと考えています。

 

テキスト:「NPO法人 3.11被災者を支援するいわき連絡協議会」総括 天野和彦

 

今月の読み物

PAGE TOP に戻る